遠隔スポーツ観戦 · 2021
なりきり体感観戦
第三者視点映像に、観戦者自身の運動模倣と複数部位への振動触覚提示を重ね、遠隔のフェンシング観戦者が選手の動きを自分のものとして感じる体験をつくります。
画面越しのスポーツ観戦は体験として平板になりがちです。本プロジェクトは「見る」のではなく「なる」感覚を目指しました。題材は遠隔フェンシング観戦です。動きが速く読み取りやすく、少数の決定的な接触が触覚イベントへ素直に対応づけられるためです。
体験は3つの要素の同時成立で成り立ちます。試合の第三者視点映像、応援する選手の動きを観戦者自身が模倣すること、そして複数部位への振動触覚提示です。感じる接触と、自ら生み出す動きが同時に届くことが、なりきりの感覚を支えています。
一般公開デモでは、東京の競技会場に設置した6本のマイクが、この競技を成り立たせている音——踏み込みの衝撃、剣の打ち合い——を収録。その音を遠隔地の観戦者へ伝送し、足元の台と剣の柄を模した手持ちデバイスで振動として提示しました。
NTTコミュニケーション科学基礎研究所と名古屋工業大学による共同研究。NTT西日本グループがICTをサポートする第74回全日本フェンシング選手権大会(2021年11月6日、六本木ヒルズアリーナ)にて実施。日本バーチャルリアリティ学会論文誌に採録(第2著者)。
関連する論文・発表
- 2023
第三者視点映像に対する運動模倣と複数部位への触覚提示による「なりきり体感観戦」の実現ー遠隔フェンシング観戦におけるユースケースー
駒﨑掲, 久原拓巳, 田中由浩, 渡邊淳司
日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 28(2), 91–100
久原 拓巳 — 名古屋工業大学大学院 博士後期課程
